自分には関係がないのに、なぜか気になる存在。
いや、逆に、自分に関係がないからこそ、気になるのかもしれない。
思い返せば、学生時代に好きになったのはそんな人だった。
スポーツが得意なあの人。友達が多いあの人。ちょっと不良っぽいあの人。
自分とは到底関係がないからこそ逆に気になり、魅力的に見えていたのかもしれない。
そんな私が、いま気になる存在はこちら
駐輪場である。
自転車と私
私は自転車に乗らない。
幼い頃、兄のお下がりの自転車で練習し、乗れるようにはなった。
小学校高学年になって自分の自転車を買ってもらい、ピアノや公文には自転車で行くこともあったが、中学は自転車禁止で歩いて通っていたし、高校も大学もバスと電車で通学。
つまり、人生でほとんど自転車との接点がなかった。
しかし先日、夜のジョギング中に見つけたのだ。
この狭い場所にコンパクトに納められた機能美。
どこにも明記されていないのに、それでも駐輪場とわかる存在感。
なにこれ…
すてき…
恋に落ちた瞬間である。
普段から自転車に乗っている人にとっては単なる駐輪場に過ぎないのだろうけれど、私にはこれが、とても愛らしく美しく見えます。
あ、使い方は、よくわかりません。
たぶん、車輪をレールにはめて、なにかしらで固定する、あるいはそのまま?なのだろう。
で、場合によってはお金を払う?暗証番号を入れる?という行為が前後にあるのかもしれない。
しかしこの際、そんなことは横に置こう。
ただただ、この無駄の無いフォルムを眺めようではないか…!
お花よりも針金
ところで、お金を払うシステムの駐輪場は、上の写真のようにシンプルにはいかないようで
プラスチック的なパーツで、恐らく前輪をロックするような機構がついている。
カラーリングがお花みたいで可愛らしいけれど、私の好みは
こういうの。
できるだけ針金っぽい、ソリッドなかっこよさを見せてほしい。
(ソリッドって言ってみたかったんです、使い方合ってますか)
これは精算機と一体型。ソーラーパネルもついて自立志向の強いタイプ。なんとなく貯金箱っぽい佇まいでもある。
あちこち見て回ったけれどこのタイプはここでしか見つけられなかった。
上か下か
よく見かけたのは二段式。
下段はほとんどお留守。
ここは上段がお留守。
ところで二段ベッドでは上下どっち派でしたか?
私は上段がよかったのに、じゃんけんで負けて下段でした。(上段は兄)
私がもし自転車を停めるなら、やっぱり上を選んでしまうと思う。
でも上に停めるにはどうすればいいんだろう?
たぶん手前の取っ手みたいな針金を引っ張ればよいのだろうけど、どれくらいの力で?手前に?ちょっと持ち上げてから手前下に??上に戻すとき重くない??
とか悩んで結局下段に停めちゃうんだろうな。
主不在の美しさよ
炎天下の二段式。
右を向いた馬の隊列。
しかし、主不在の駐輪場ってめちゃくちゃに素敵。駐輪場に自転車止めるの禁止にしてほしい。
擬態
流しそうめん
白ヘビ
オレンジのひづめがキュート。
やっぱり針金
いろいろ見ましたが、やっぱり私が好きなのは針金タイプ。
私の王国では針金に近ければ近いほど良いとされている。
駐輪場はどこまでシンプルになり得るのだろうか。
今後ますますの削ぎ落としが楽しみである
これは、手すり。