(このタイトルで大丈夫そ?)
「どこかにビューーン!」というJR東日本のサービスがありましてね、
ポイントがやたらと溜まってたので試してみたわけですよ。
そしたら思ってた以上に良い旅になったので、ここにご報告する次第です。
※「どこかにビューーン!」ってどんなサービス?ということはあんまり触れません。上記公式サイトや、他のみなさまがいっぱい書いているブログを読んでね。
申込から行先決定まで
最初に書いたとおり、申し込んだきっかけは「やたらとポイントが溜まっていたから」。
そしてシフト制の勤務において、希望を出したわけでもないのに連休+翌日遅番。
しかも同居人エスシも予定のないお休みだったという偶然も後押しして、「ねえ、どっか行かない?(申し込みに必要な)ポイント奢るから」と勧誘。
一泊二日でどこかに行くことにした。
JRの各サイト?各サービス?のログインやら紐づけやらのめんどくささをなんとか乗り越え(あれ、めちゃ大変ですよね?)、いざ申し込み。
最初に提示された行先候補4つはちょっとピンとこなかったのでその場でリトライし、二度目に行先候補として示された【郡山駅】【八戸駅】【秋田駅】【新潟駅】で申し込みを進める。
この4つのうち、どこが旅先になるかは4日以内にメールします、ということだったのだけど
2時間後にはもう行先決定のメールが届いてた。早っ。
しかもご丁寧に、「今後ネタバレメール届くかもしれないから早めに行先確認したほうがいいよ!(意訳)」とも書いてあって、こちらの楽しみを奪わないようにしてくれている。気が利くじゃんJR東日本。
エスシと一緒に行先を確認したくていそいそと帰宅。
指定されたURLをクリックすると、新幹線のイラストとともにカウントダウンが始まって
「あなたの行先は…」
「秋田です!!」
この演出がかわいくて、エスシとひと盛り上がり。
こうして旅の行先は秋田県に決まった。
これが出発の10日前。
これがまず、わたしには新鮮だった。
普段なら、旅は遅くてもひと月前には予定を組むもの。
でも今回は行先決定から出発まで、10日しかない。
「とにかく急ごう!」と、その晩にはレンタカーとホテルの予約を完了。
翌日には図書館で秋田のガイドブックを借りてきて、計画を立て始めた。
秋田の知識
旅行が決まる前の、私の秋田知識。
・なまはげがいる
・秋田犬がいる
・角館の武家屋敷というところは桜の名所
・有名な湖がある
・友人が秋田出身(なまはげは居ない地域だと言っていた)
以上。
しかもこれらは不完全で、
なまはげがいるところや、角館や、湖(田沢湖だ)の場所はわからないし、
それらの位置関係ももちろんわからない。
あとガイドブック読んで、「あー竿灯まつりって秋田なのか!」とか、なんとなーく見たことのあるビジュアルと秋田が後付けで結びついたりとかで、本当に私には知らないことが多いなと、つくづく思った。
まあいい。
知ってても知らなくても、
とにかく行くのだ、秋田に。
後から考えると、この勢いとスピード感が良かったのかもしれない。
怒涛の秋田
ここからは一泊二日の怒涛の秋田を畳みかけます。
角館!武家屋敷!
温泉!
田沢湖!
秋田錦牛!きりたんぽ!
数々の絶景!
そしてなまはげ!!!
なまはげ
わたし最初、なまはげに対して斜に構えていた。
来訪神にはめちゃくちゃ興味があるのだけど、
なまはげの実演?が見られると聞いて、逆にがっかりしたのだ。
ショーにしちゃったのかよ、と。見世物にしちゃったのかよ、と。
だから「観光用の出し物でしょ」、と、大して期待していなかったのだ。
が。
ごめん、そしてありがとう。
「なまはげ館」で基礎知識を学び、そのとなりの「男鹿真山伝承館」でなまはげ訪問を疑似体験できるのだけど
これがもう、とってもすてきだった。
藁ぶき屋根の古いおうち。(見とれてて写真撮り忘れた)
詳しい説明を聞かなかったけど、たぶん実際に住居として使われていた建物を移築したんじゃないだろうか。
年季の入った建物に靴を脱いで上がると、囲炉裏のある部屋に通される。
畳も使い古されたように歪んで、ランプは薄暗く、障子はやや煤けている。
そこに、なまはげがやってくる。
思ってたんと違った。
すごい迫力だし、すごい面白いんだ。
「泣く子はいねがー」って言うんでしょ、と。
知っていたけど、それだけじゃないんだな。
家の主人といろいろ話すし、健康を気遣ったり可愛いところもある。
(家の主人はなまはげを「なまはげさん」と呼んでいて、それもなんだか可愛い)
シコを踏んだ時の畳の響きとか、動き回るときに藁の擦れる音とか、お面越しのくぐもった声が逆に迫力を増すこととか。
全然、知らなかった。
本当に私には、知らないことが多い。
20分ほどのなまはげさんとの邂逅が終わると、私の頭の中はお詫びと感謝でいっぱいになっていた。
ごめんなさい、見世物とか言っちゃって。
ごめんなさい、ショーとか言っちゃって。
こんなにすてきな風習を残してくれててありがとう。
よそ者の私にも分けてくれてありがとう。
多少は姿を変えているだろうけれど、今でも大晦日には地域ごとになまはげがやってくるという。
こんなにすごいものが、現代まで残っているなんて、奇跡じゃないだろうか。
さよなら秋田
その後は秋田駅までわーーっと走って、レンタカーを時間ぎりぎりに返却。
(ガソリンスタンドが18時で閉まるなんて思っていなかったから最後の給油はできなかった。)
10分で夜ご飯を食べて新幹線に飛び乗った。
お土産は駅のコンビニで買った。
これで、最初から最後までスピード感あふれた旅の報告はおしまい。
秋田。
特別な思い入れもなく、憧れの地でもなかったからこそ、シンプルに訪れて、シンプルに景色と料理となまはげをそのまま受け入れられたのが良かったのかも。
どの景色も、どの体験も、まっすぐに私に飛び込んできた。
楽しかったなぁ、秋田。
いいところだったなぁ、秋田。