その花との出会いは、突然だった。
2018年1月、初詣に川崎大師を訪れた、帰り道。
それは鈍く輝きながら優しく、曇天を飾っていた。
その花たちは、まっすぐ続く商店街をずっと先まで
じぐざぐと彩っていた。
このかわいらしさにすっかり心を奪われてしまった私は
他の商店街にも花を探しに出かけた。
撮影時期は同じく正月。
花ではないが、紅白のお餅をかたどった飾りが霞のようにふわふわと揺れていて愛らしい。
こちらはボリューミィな、見事な枝ぶりのもの。
街路灯にひとつずつ、咲いている。
お餅と、「大入」の文字のめでたさよ。
しかし撮影時期は2月末。
お正月飾りとすれば、ややくたびれてきているのは否めない。
と思っていた数日後。
突然それは、鮮やかなピンクの花へと姿を変えた。
時は3月、春の訪れだ。
あたかも夜桜のように、街路灯のもとで
それは夜を照らしながら人々の頭上で咲き誇っていた。
…実は、予想以上にこのての飾りがみつからなくて困っていたところ、3月になってお色直しが行われたので思い切って記事にしてみたのだった。
おしまい