(新しい)置き場

ごそごそしています

見分けよう!東京の美術館

 暗号のような

周りの人たちが暗号のような単語を交わしていました。

ゲンビ/トビ/シャビ/トシャビ/キンビ/トウキンビ/シンビ

…。

美術館の名称なんですって。ゲンビは現美、トビは都美、など。

正式な略称かどうかはわからないけれど、とにかく私の周りの人々はわりと気軽にこの単語を使って意思疎通をしています。

えー、いいなー。私もそういうの、さらっと使って話してみたい!


しかし、日常的に美術館に通うわけではない私には、それらがどこにあるのか、それぞれどう異なるのか、聞いただけではパッとわかりませんし、美術館ごとの特性なんてもちろん知っているわけがありません。

そこで、実際に足を運んで、それらの見分け方を見いだすことにしました。

残念ながら美術の素養が無い私ですので、見分け方は以下のとおりとします。

●素材の印象(あくまで「印象」であって、実際に何で作られているかとは別)

●形の印象(同じくこちらも「印象」)

●近くのアート作品

●館名のビジュアル

日常的に美術に触れている方は当然ご存知のことで、「全然違うものだよ?」「いまさら何を??」という感じかもしれませんが、

完全に個人的な納得の為ですので!!

開き直ってスタート!! 

 


ひとつめ:ゲンビ

最寄り駅のひとつ、木場駅を降りてさて歩こうかと思っていたところにちょうどバスがやってきたので乗りました。乗車時間7分くらい?思ったより距離があったので雨の中歩かなくて良かったです。

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正式名称は東京都現代美術館。通称ゲンビ(現美)。

●素材の印象:ガラス

●形の印象:三角

 ●近くのアート作品

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これがアートだとは最初気づかなかったけど、作家と作品名を示すプレートがそこにあったので。

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素材が「鏡、穴」となっています。なるほど、芝生の中にマンホールっぽいものがありますね。親子連れが「雨だから今日は閉じてるね~」と言いながら通り過ぎました。

ふむ、普段は穴が開いているのか。

 

●館名のビジュアル

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現代美術!という感じです。

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近くにあった「止まれ」も、現代美術の作品っぽく見えてしまいます。 

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あと三角コーンも現代美術的。 

…こんな感じで、収蔵作品だとか企画展だとかには全く触れずに行きます!!

 


ふたつめ:トビ

上野駅から上野公園内をてくてく進みます。この日は晴れた休日で、公園はたくさんの人で賑わっていました。この賑わいの中で、私の幼い頃の記憶のひとつ、父に肩車をされて上野公園のパンダの行列に並んでいる、という光景を思い出しました。

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こちら東京都美術館、通称トビ(都美)。

●素材の印象:煉瓦

●形の印象:四角

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●近くのアート作品

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中央には丸いのがあったけど、その側にアスタリスクっぽいものが。

 

●館名のビジュアル

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「煉瓦」と「四角」を見事に表しているアイコンと共に。

 

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…でもたぶん、元々はこっちのどっしりした表記。京の字、今と違いますね。

 


みっつめ:シャビ

恵比寿駅で降りて動く歩道をこれでもかと乗り継いで到着するのがこちら。

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東京都写真美術館、通称シャビ(写美)、あるいはトシャビ(都写美)。

●素材の印象:陶器

●形の印象:台形

●近くのアート作品

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壁面におおきな写真が嵌め込まれてます。


●館名のビジュアル

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TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM 、なんですね。

  


よっつめ:キンビ

そうか、これがキンビだったのか。ここには以前、仕事で来たことがありました。そうかそうかと、人の名前と顔が一致したような納得感を味わいました。もしくはゴンお前だったのか的な。違うか。

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ということでこちらは東京国立近代美術館、通称キンビ(近美)、あるいはトウキンビ(東近美)。ほかに工芸館もあるけれど今回は省略します。

●素材の印象:石

●形の印象:四角

●近くのアート作品

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石。

●館名のビジュアル

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すがすがしいほどの明朝体。そして石。

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こっちのやわらかめの文字のほうも浸透させようとしている気配はありますね。トビ(東京都美術館!)もそうだったけれど、いま美術館業界ではイメージを変える流れがあるのでしょうか。

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車止めも石っぽいもので。

 


いつつめ:シンビ

 

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最後はこちら、国立新美術館。通称シンビ(新美)。

●素材の印象:ガラス

●形の印象:曲線

 ●館名のビジュアル

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国立新美術館、があるなら、新がつかない「国立美術館」はどこにあるんだ?と調べてみたら、なんと「国立美術館」という建物は無いのだそうです。へぇ~

 

あと、他でみてきた「近くのアート作品」というのがここには無かったのだけど、おそらくこれは英語での館名にヒントがあって、

ゲンビ(東京都現代美術館)…MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO

トビ (東京都美術館)…TOKYO METROPOLITAN ART MUSEUM

シャビ (東京写真美術館)…TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM

キンビ (東京国立近代美術館)…THE NATIONAL MUSEUM OF MODERN ART TOKYO

シンビ (国立新美術館)…THE NATIONAL ART CENTER TOKYO

 

シンビだけ、「MUSEUM」ではないのです。

コレクションを持つ美術館が「MUSEUM」なのだそうで、そうでなければ「MUSEUM」とは名乗れないと聞きました。

シンビは館独自のコレクションを持っていないのですね。だから、他の建物では外に置かれていたようなアート作品ももちろん無い、ということ。

 

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車止めは、建物と違って直線で構成されていました。

 


以上です!!

こうして5つの美術館を実際に巡り、素材感や形の違いをしっかり見てきたのでもう迷うことはありません!

音で聞くだけだと似ていたけれど、実際に見てみたら全然、全っ然違いました。百聞は一見にしかずというやつですね。

 

 

 

【2020年5月追記】2019年8月、自由ポータルに掲載していただきました  

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