少し前、仕事で点字を知る機会があった。
学ぶ、ほどきちんとではなく、入口程度だったけど。
五十音だけでなく、アルファベットや数字も6つだけの点で表すことができるし、奥が深いと思った。
それから、街にある点字が気になるようになった。
存在は知っていたのだけど、「本当はなんて書かれてるの?」「本当にちゃんと書かれてるの?」という気になり方。
気になったので調べてみた。
(以下、こちらのサイトを見ながら読んでみました)
【エレベーターにて】
下に行くボタンのとこについてるから…
『シタ』
うん、そのとおり。
「開く」「閉じる」のマークのとこについてるから…
(なんか点字にフリガナ、もといフリ漢字もついてるし)
『アケ』『シセ』
…しせ?
【駅にて】
これもフリ漢字つき。
えーと、
『コーー チヨダセン・ヒビヤセン・マルノウチセン・カスミガセキエキ』
コーー?
あ、これは矢印がそのまま形になっているのか。
『(外字符)(大文字符) C (数符) 4 デグチ → 』
アルファベットの前に置かれるのが「外字符」、
大文字の前に置かれるのが「大文字符」、
数字の前に置かれるのが「数符」。
外字符や数符がないと、
「ル」も「d」も「4」も同じになってしまう。
他にも、ケタの多い数字、メールアドレスやURLを書くとき、
文の区切り方など、いろいろなルールがある。
それにしても6つの点だけでいろいろ表せて、すごい。
そしてこれを指先で読むなんて、すごい。
【街なかにて】
【ネガミ ハ (判読不明)
〜コガタユービンブツ〜】
恐らく「テガミ ハガキ」なのだろうけど
風雨にさらされて、劣化が激しい。
『ツーチョー』
『コーカ』
『シヘイ』
カナで書いたときに「ウ」で伸びる音の場合は、「−」になる。
だから、『ツウチョウ』ではなくて『ツーチョー』、
『コウカ』ではなく『コーカ』、
『シヘー』ではなく、『シヘイ』。
しかし、あえて点字を探して歩いていたから見つけたけれど
ATMに点字があるなんて今まで気づかなかったな。
***
ずいぶん昔、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」というイベントに参加した。
暗闇の中で、芝生の上を歩いたり、ジュースを飲んだり、ブランコに乗ったりした。
アテンドしてくれた人は視覚障害者のひとだったのだけど、
暗闇の中で、空いている椅子を見つけられないでおたおたしていた私の手をとって
「こっちの椅子、空いてますよ」と誘導してくれたこと、あまりにもびっくりして忘れられない。
指先で読む文字。
私は目ですらすらと読めないけれど、それを読む人たちのために
いろいろな場所で書かれていてほしい。
【2019年8月、引越しとともに追記】2018年4月、自由ポータルに掲載していただきました